宇宙戦争

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遥か遠い昔、既に地球侵略のシナリオは始まっていた。

離婚した妻(ミランダ・オットー)との間に生まれた二人の子供に会う日、レイ(トム・クルーズ)は奇妙な嵐に遭遇する。
雷と突風が静まった後、町中は停電し、車を含めてあらゆる物が動かなくなる。
息子が持ち出した車を取りに中心街へ向かったレイは、雷が何度も直撃した地中から現れた巨大な機械が人々を殺戮していく様を目の当たりにする。




以下、ネタばれ含む感想実況中継(嘘)です


オープニングで、トム・クルーズブルーカラーで、その道のプロ、って登場をします(コンテナ積みのプロ)
おお、これはアルマゲドン的じゃないか!
そして登場する妻と二人の子供。息子は完全に父親を舐めてかかり、娘も父親を冷めた目でみています。
おお、すれ違いの中にも愛があったブルース&リブの親子より危機的状況!
そして、雷と嵐とともに機械が止まる!車も止まる!古典的!ブルーカラーが主人公だからなのか、解説も何もねえ!
そして勢いがとまらぬままに”トライポッド”の登場です。
うわー!怖い!怖い!えーっと、これって、これって



マーズ・アタック




はっ。
いかんいかん。
トムは子供を引き連れてトライポッドから逃げ回ります。機械ヲタクのトムの機転で修理工が直した車をかっぱらって。
動く車はトムのものだけ。難民と化している道を突き進み、離婚した妻と新しい夫が住む家にたどり着くも、そこも安全ではありませんでした。
そして世界各地に何台ものトライポッドが猛威を振るっているとの事。
トムは今度は奥さんが居ると思われる、彼女の実家へと車を走らせます。
民度が徐々に高くなり、パニックもすさまじくなる中で、彼らは車を奪われ、暴徒化した民衆は殺しあってそれを奪い合います。
うわー!怖い!怖い!パニクると、何よりも人間が怖いのよね!えーっと、これって、これって



28日後




いやいや。あっちの方が怖いがな。
バタリアンではないです(笑)

そう。この映画、流石「古典SF小説を映画化した古典SF映画をリメイク」しただけあって、パロディとも類似とも言えないような、見たような場面が続くのです。
しかも、こじつけ論理もなければ精神的描写も中途半端。
冒頭アルマゲドンライクなトムの手腕は何も生かされず。
ヘタレなトムと違い、正義感にあふれすぎた息子の暴走は最後の最後で何の説明もなく観客を裏切ります。
ダコタ・ファニング演ずるアレルギー+神経過敏+情緒不安定+子供だからワガママなキャラへも、トムが不器用に接するだけで、何も生んでいません。


とはいえ、この映画、トムはヒーローじゃないんです。ヘタレなんです。
でも、中途半端なんです。最初にトライポッドを倒すシーンは、トムじゃなくてええやん。
ただ、ブルーカラーは伊達じゃない!とばかりに肉体を張ります。
っていうか、人間外です。でもツッコミはなしです。
演技も「バニラ・スカイ」に比べると見るに耐えんし…

ハイド・アンド・シーク批評でも述べましたが、娘役のダコタ・ファニングは何がええのかさっぱりです。
なんていうか、可愛くない・無表情な被害者子役が定番になるってのはどーなんだろー、とは思いますが。
クリスティーナ・リッチは、不気味なお子様でも、色気がありましたからなぁ。



オチは皆さんがご存知のとおりです。ええ、あのまんまです。
それにしても、脚本、演出があまりにも酷いです。もう少し努力しましょうや。
だだ流れで作り直すのがリメイクってもんでもないでしょうに。
忠実でエエ、なんて考え持ってるなら、ドタバタ部分を削除しても、もちっと作りこむべきでしょう?(それをしたら見れるシーンもなくなるだろうが)
しかし、映像は怖いです。久しぶりに怖いじゃん!ってのが見れました。
ぶっちゃけ、ハリウッド的娯楽駄作…と言うものでしょう。
個人的に井筒監督が「世界同時上映モノはロクなもんがない」と言っていたので、見るまでそんな事いうなよ!面白いかもしれんやん!と思っていたのですが

まんま、ですわ。
相変わらずガラガラの観客席で、オチを期待した人々がエンドクレジットの後を待ってましたですよ。何もないですよ。

アレかなぁ。
SFにはマニアと呼ばれるおこちゃま連中がいる。
腰を落ち着けてリメイクすると、そういう連中が原作から外れているとブーイングがくる。
単にドタバタ部分を最新技術で撮りたかっただけで、映画を作りたかった訳じゃない+オタク層を多少でも満足させるような脚本を作る気もない

じゃなかろうか。
少年アシベ」に出てくるインスタント食品を出すレストランみたいな。



ただ、一番衝撃的だったのは、本編の前、キングコングの予告編で、ピーター・ジャクソンが超スッキリしていた事です。
うわー!キング・コング、見たいよ!

違うって


ともあれ、映像が素晴らしい!が、二回見れるモノではない。
それだけで映画が売れる時代は終わりました、って事で。

次はSWかバットマンで。